こんにちは。
Rumoi Flower Productions[るもいの花]のリッキーです。
バラのようにも見えるふんわり優しい印象のリシアンサスってどんな花?
結論はトルコキキョウと同じものです。
リシアンサスとはトルコキキョウの別名になります。
実はリシアンサスは旧学名(英語名)の「Lisianthus]になります。
ギリシャ語で「lissos(滑らかな)」と「anthos(花)」が由来です。
このページではリシアンサス=トルコキキョウの情報をまとめています。
目次
概要
呼ばれ方・由来
- トルコキキョウ|トルコ桔梗[和名]
- つぼみがトルコ人のターバンに似ているから
- 原種の花の色が「トルコ石」を思わせるから
- 地中海の海の色(トルコブルー)を連想させるから
- 桔梗|原種に近い、一重で紫色のトルコ桔梗の花はたしかに桔梗に似ています
- Eustoma grandiflorum|ユーストマ グランディフロラム[学名]
- eustomaはラテン語で「eu=良い stoma=口」が由来
- Lisianthus|リシアンサス[旧学名・英名]
- ギリシャ語の「lissos(滑らかな)」と「anthos(花)」が由来
- Tulip gentian|チューリップゲンティアン[英名]
- チューリップのようなリンドウ
- Prairie gentian|プレーリーゲンティアン[英名]
- 草原のリンドウ
- Texas bluebell|テキサスブルーベル[英名]
原産地・原種
アメメリカ西南部、テキサスからメキシコにかけての石灰岩地帯。
原種は「グランディフロラム」と「エグザルタトゥム」の2種のみです。
科・属名
リンドウ科ユーストマ属
歴史
- 色とりどりの花を咲かせるリンドウ科の植物で、花びらが一輪でカップのような形で咲き、枝が多く花もたくさん付いているのが特徴です。近年は1輪咲きの[モノリシアン]があります。知名度は高くありませんが、切り花にした後の花持ちが1~2週間程と他の花に比べて長持ちするのと、品もあるので日常から冠婚葬祭まで、様々なシーンで幅広く使われています。
- 1930年代にトルコキキョウが日本に入ってきてから、1970年代には品種改良が進んでピンクの花色が登場したのを皮切りにバリエーションが豊富となっていきました。現在の品種の育種もとはグランディフロラムです。
- 日本で改良した品種は今や500種類以上はあると言われ、さらには毎年新しい品種が生まれています。第二次世界大戦後、他国のトルコキキョウは戦争の影響によりほぼ絶えてしまったのに対して、日本では品種改良が盛んに行われ続けた結果、現在流通しているほとんどの品種が日本産となっています。世界でトップクラスの育種はバラにも見間違えるフリンジ咲きや花持ちの良い厚弁など様々です。
花言葉|色別
全体|優美・すがすがしい美しさ・感謝・希望
- 清らかな白色のイメージから付けられた花言葉と言われています。
白|永遠の愛・思いやり
- 白いフリルのような花姿がウェディングドレス
のイメージにぴったりで、「永遠の愛」という花言葉から
ブライダルフラワーとして使われます。
青|あなたのことを想う
- 青色は、空や海などの自然と結び付けられる色。
- また、人の心を落ち着かせる働きをする色とも言われています。
- 大自然を眺めるように、穏やかな気持ちで
大切な人のことを想うことができそうですね。
紫|希望
- 品種改良で、どんどん使いやすくなっていくトルコキキョウの様子から、
紫色のトルコキキョウの花言葉は「希望」になったといわれています。
ピンク|優美
- トルコキキョウ全般に共通する花言葉でもあります。
- 優しいベージュピンクからローズピンクまで
プレゼントする方に合わせて選びたいですね - トルコキキョウの花を下向きにしたとき、
ドレスのスカートのように見えることから
『優美』の花言葉が付けられたとされます
黄色・オレンジ|毅然とした態度
- 他の色に埋もれずに目を引くカラー。
- いつも堂々と存在する黄色いトルコキキョウの様子から、
この花言葉がつけられたと考えられます。
グリーン|良い語らい
- これは、属名の「ユーストマ」から来ています。
- 「ユーストマ」とは、ギリシャ語の「よい=eu」「口=stoma」
という意味の言葉です。
口が開くように花元から徐々に開いていくトルコキキョウの花の姿から、
この属名がついたと言われています。
怖い花言葉|花嫁の感傷
- これは、トルコキキョウのつぼみの姿が、
喜びつつも少し憂いや不安を持った、
結婚前の花嫁の姿のように見えることに由来しています。 - つぼみの様子が、花嫁の嬉しさと新たな生活への
不安な精神状態を表していることから
「花嫁の感傷」の花言葉が与えられました。 - 花嫁にプレゼントとしてトルコキキョウを渡す際は、
花が咲き切っているものを選ぶと良いですね。
西洋の言葉|感謝・穏やか・幸福
- 真っ直ぐ上に向かって伸びる茎の先に花がつく様子も相まってつけられています。
- appreciation|感謝
- calming|穏やか
- happiness|幸福
誕生花
誕生月は8月
- トルコキキョウは、春から冬にかけて広い範囲で誕生花が設定されています。
- 5月29日
- 6月28日
- 7月12日
- 7月18日
- 8月18日
- 12月16日
旬なお花の時期・産地
- 夏のお花で5月~9月が旬の時期です。
- トルコキキョウは、寒冷地では8~9月、
温暖地では5~8月頃に開花します。
産地や品種による開花時期の違いはありますが、
暖かい気候になり日が長くなると花を咲かせる性質のため、
基本的には春から夏の季節が見頃です。 - 日が長くなり、あたたかくなると蕾を付ける性質があります。
- 栽培技術が進み一年中生産されています。
高冷地|5月~12月
- 北海道
- 長野県
- 福島県
暖地|11月~6月
- 熊本県
- 静岡県
- 高知県
咲き方・種類
花弁の枚数
- 一重咲き
- 八重咲き
花弁の質感
- ノーマル弁
- 厚弁|アンバー・小夏・プッチーノ系
花弁のかたち
- 一重咲き
- 八重咲き
フリルの入り方
- 平弁[ノーマル]
- フリル[ウェーブ]
- セミフリル・セミフリンジ
- フリンジ[チリチリ]
花のかたち
- カップ咲き
- 平咲き
- バラ咲き[高芯咲き]
- ボール咲き[ポンポン咲き]
花の大きさ
- 小 輪[4~6cm]
- 中 輪[6~8cm]
- 中大輪[8~10cm]
- 大 輪[10~12cm]
- 巨大輪[12~14cm]
発色の仕方
- 単色
- 覆輪|パステル
- かすり|フラッシュ
- マーブル|縦パステル
花粉・めしべの状態
- 通常[おしべ・花粉あり]
- 無花粉|ソロシリーズ[おしべ・花粉無し]
- おしべが花粉を作らないため、
受粉せず花持ちが良い
- おしべが花粉を作らないため、
- 変形雌ずい|アンバー・佐瀬系[めしべが変形し受粉しずらい ]
- めしべが変形し開かないため、
受粉しにくい状態で花持ちが良い
- めしべが変形し開かないため、
メーカー・シリーズ・品種・特徴
株式会社サカタのタネ
- ボヤージュシリーズ|大輪八重フリンジ
- ボン・ボヤージュシリーズ|大輪八重フリンジ
- レイナシリーズ|大輪八重フリル
- マキアシリーズ|大輪八重セミフリル
- ロジーナシリーズ|中輪八重フリルバラ咲き
- ソロシリーズ|小輪一重無花粉
- アンバーシリーズ|中輪八重厚弁セミフリル
- オーブシリーズ|大輪八重フリル
株式会社ミヨシ
- ハピネスシリーズ|中大輪八重セミフリンジ
- チアシリーズ|大輪八重丸弁フリンジ
- ボレロシリーズ|中輪八重フリル
- ソワレシリーズ|中大輪八重丸平弁
- プッチーノシリーズ|小輪一重厚弁
カネコ種苗株式会社
- エグゼシリーズ|大輪八重フリンジ
- ジュリアスシリーズ|大輪八重フリンジ
- グラナスシリーズ|中輪輪八重フリンジ
- フィーノシリーズ|中輪八重セミフリンジバラ咲
- そよそよ系[セシル・フィズ]小輪一重剣弁
住化農業資材株式会社
- セレブシリーズ|大輪八重フリル~フリンジ
- エレガンスシリーズ|大輪八重フリル
- パティオシリーズ|中大輪八重フリル
- ラフールシリーズ|中輪八重平弁
- エリオ[エリフル]シリーズ||小輪八重バラ咲
- 小夏シリーズ|小輪八重フリル厚弁
タキイ種苗株式会社
- プリマシリーズ|大輪八重フリンジ
- ベールシリーズ|大輪八重セミフリル
- 黒つぼみシリーズ|小輪八重セミフリル
- ミンクシリーズ|小輪八重バラ咲
八重農芸株式会社
- アモーレホワイト|大輪八重フリンジ
株式会社福花園
- ふわりぃシリーズ|大輪八重フリル丸弁
- 小輪アンティークシリーズ|小輪八重バラ咲
株式会社ムラカミシード
- クラウンシリーズ|中輪八重平弁
- ダイアナシリーズ|中大輪八重フリル
- セレモニーシリーズ|中大輪八重セミフリル
個人育種家
中曽根健氏[株式会社ナカソネリシアンサス]
長野県千曲市力石の花き農家に生まれ、
24歳から家業である花の栽培・育種に携わる。
2003年に「コサージュ」シリーズを発表。
リシアンサス育種家としてその名を世界中に広く知られ、
展示会を行う夏には国内外から関係者が圃場を訪れる。
コサージュシリーズは別名[NF系]とも呼ばれ
[ナカソネ・フリンジ]の頭文字をとって呼ばれている。
[コサージュ系=NF系]
リシアンサスのフリンジ系の先駆者であり、
現在はニュアンス・アンティークカラーや
ボール咲きの育種に力を入れている。
コサージュ系を栽培するためには、中曽根氏が管理する
コサージュ会に入会する必要がある。
高い技術を必要とするコサージュ仕立てを習得し、
出荷基準を決めることで希少性を維持している。
代表品種
- レギュラーカラー
- NFシュガーホワイト
- NFホノピンク
- NFマーモピンク
- NF秋ピンク
- NFラベンダー
- NFバイオレット
- NFラビリンス
- ニュアンス系
- NFアッシュ
- NFダークメロウ
- NFメロウ
- NFモス
- NFマンゴー
- NFメロディ
- NFマーブルブルー
- アンティーク系
- NFアンティーク
- NFアンティークピンク
- NFアンティークブルー
- NFカシス
- NFカシスボール|ボール咲き
佐瀬昇氏[佐瀬農園代表]
千葉県東金市九十九里浜から4km内陸にある佐瀬農園。
通常は夜に花を閉じるトルコキキョウから「一晩中咲き続ける1本」
を探しあてフリル咲きを世に広めた。
代表作は蛍光グリーンの「貴公子」ブラウンの「貴婦人」。
フリルがあり厚い花弁は「佐瀬トルコ」と呼ばれている。
「佐瀬トルコ」とサカタのタネの「アンバーシリーズ」は
佐瀬昇氏との共同開発によって誕生した変形雌ずいタイプで
めしべが変形し受粉しにくい状態で花持ちが良いが特徴。
さらに新しい花のかたちをを追い求め誕生したのが、
深い切込みが入った「べっぴんさん」、
尖ったかべんの「はいからさん」になる。
代表品種
- 厚弁系[変形雌ずい・めしべ]
- 貴公子
- 貴婦人
- 楊貴妃
- 森の雫
- 剣弁フリンジ系
- はいからさん
- べっぴんさん
仕立て・作り方
無整理|ノーマル
1本に複数の花と複数の蕾が2~3段ついた仕立てです。
※参考小売価格¥300~600
通常[セミ]仕立て|花と蕾
1本に4~6輪ほどの花と蕾に制限した仕立てです。
余計な蕾を咲く前に除去することで開花輪に栄養が集中し、
大輪の花になります。
現在はセミ仕立てが主流で一番流通量が多くなっています。
※参考小売価格¥500~1000
コサージュ仕立て|開花輪のみ・蕾無し
1本に2~5輪の開花輪のみで開花前に1枝1輪に制限する仕立て。
余計な蕾を咲く前に除去することで開花輪に栄養が集中し、
茎が固く大輪の花になります。
NF系はコサージュ仕立てを基本になります。
※参考小売価格¥800~1500
モノ仕立て|1輪仕立て・蕾無し
1本1輪の仕立て。[MONO・もの:ギリシャ語でひとつの~]
余計な蕾を咲く前に除去することで開花輪に栄養が集中し、
茎が長く硬く、大輪の花になります。
一輪咲きのバラ[STバラ]と同様の使い方ができます。
モノ仕立ては北海道るもいで中心に栽培しており、
「モノリシアン」として出荷・販売しています。
※参考小売価格¥400~600