こんにちは、花を30年以上栽培している産地のマネジメントしているリッキーです。
毎年、世にも出ていないメーカーの試作品種を数々見てきた自分がお花を紹介します!
「この花とてもキレイだけどなんていう花なのかわからない…」
「また飾りたいけどどこで作られている花なんだろうか…」
「自分が知らない花をもっと知りたい…」
あなたの知らない花をご紹介します!!
あなたはウニのような見た目の大輪のアスターを見たことがありますか?
そう海にいる雲丹…トゲトゲしていてウニウニしているあのウニです。
お花屋さんでひときわ存在感を出している、菊・マム・ダリアのような
花ですが、よく仏花の束に入っている小輪のアスターと同じ花です。
アスターとはキク科の植物で和名はエゾギクと呼ばれています。ラテン語では星を意味する言葉です。
花は江戸時代から改良が進み花径3cmくらいの小輪から10cmを超える大輪まであります。
色は白・ピンク・赤・藍色などがあり、中心の黄色と美しいコントラストをなすものも多い。
花の形には、一重咲きと八重咲き、花弁の重ねのおおいポンポン咲きがあり、
花弁が筒状に丸まった管弁のものもある。
wikipedia参照
そんなアスターですが、海外からも品種が輸入されこだわりの作りにより、
ウニアスターが誕生しました。
あなたがキク・マムやダリアだと思った花はウニアスターかも?
- ウニアスターに合う大輪品種を選びを誕生させた自分が教えます。
- ウニアスターの由来・種類がわかる。
- 1本で飾っても絵になるお気に入りのウニアスターが見つかります。
ウニアスターの由来はラテン語のUni[ひとつの~]から来ています。
アスターは1本が枝分かれしたくさんの花を咲かせます。
しかしその枝はほそく花も小さくなってしまいます。
そこでウニアスターは枝を全て取り除き、
1番はじめに咲く[頂花]とよばれる一つの花に栄養を集中。
栄養を集中することでウニのような見た目の大きく
トゲのような花弁が詰まった花になります。
ウニアスターのウニは見た目を表現しラテン語の
[Uni:ひとつの]
とかけていて、栽培する過程の花をひとつにする技術も表しています。
ボブシリーズとシャギーシリーズ
ウニアスターを代表する品種は株式会社ミヨシさんから出ています。
ボブシリーズとシャギーシリーズになります。
ボブシリーズ
花弁は密で短く丸いフォルムがかわいいのが特徴です。
名前のボブはヘアスタイルのボブヘアーからきていて、
丸いフォルムをイメージさせています。
シャギーシリーズ
トゲトゲした見た目で平らな花弁が筒状になることで、細長い花弁が特徴です。
名前のシャギーはヘアカット技術のシャギーカットからきていて毛先を軽くし、
先端に向かって細くなるヘアスタイルから来ています。
さらに花弁はトルネードのようにうずまきで見るものを引き込みます。
品種開発は進んできていて海外・国内でもどんどん新しい品種が生まれてきています。
かわいさはニュアンスカラーの花色とガクのグリーンとのコントラスト‼
アスターの特徴は花の周りをグルりと囲むガクがあることです。
このガクのコントラストによりドライな質感のアッシュカラーや中心につれ色が変わる
ニュアンスカラーの花色がさらにおしゃれに映えます。
ボブディープブルー|光沢のある花弁
ボブパープルアッシュ|ドライな質感のアッシュカラー
ボブラベージュ|中心に向かって色が変わるニュアンスカラー
ボブシアーピンク|透明感のあるライトカラー
栽培には夜を短くしないといけない・・・
ビニールハウス内で栽培しますが、必須になるのが電照という技術になります。
ビニールハウスの天井にLEDライトを5m間隔で取り付けを行い、明るい時間を18時間にしないといけません!
それはなぜでしょうか?
太陽の光で充分じゃないの?
ウニアスターは北欧の日が長い地域で育種開発されており、日本の日の長さでは生育に障害が発生します。
北欧の日の長い地域は太陽が出ている時間が16時間以上。
日本[東京:夏至 6月21日で14時間35分】と比べると2時間ほど長い計算になります。
その日の長い地域で育ってきたアスターを日本で作ると太陽に
当たっている時間が足りず葉の先が茶色く焦げ付いたような状態になってきます。
葉焼け・チップバーンと呼ばれる
葉焼け・チップバーンが進むと中心の茎の部分まで焼けてしまい、それ以上伸びることができなくなってしまいます。
茎が焼けて芯がとまってしまうと一番たいせつな一番はじめの花【頂花】を咲かせることが
できなくなってしまい、ウニのようにおおきな花にできなくなってしまうということです。
LEDライトで 【日が沈んでから20時まで】 + [深夜2時~日が昇るまで】
明るくしてあげることで太陽が18時間出ていることを錯覚させます。
[本当は6時間だけ暗くしてあげるということが本質です]
同じ場所でつくり続けることができない?だから多くは作れない?
アスターは同じ場所で何年もつくり続けることがむずかしいといわれています。
それは連作障害といわれ、同じ場所でつくると病気になる菌が集まってしまうことが
原因のひとつです。
そのため、作る場所を違う場所にしないといけなく、もう一度同じ場所でつくる場合は
8年ほど期間をあけなければなりません。
同じ場所で8年もつくることができないとなると、広大な土地が必要になります。
ビニールハウスや電照の設備が必要になるので、多く作れないのが現状です。
【品種改良が進み病気に強い品種も出てきているので、安定した生産も数年後は実現するかも!】
まとめ
- ウニアスターはウニのような見た目とラテン語の[Uni・ひとつの~]を意味している。
- アスターの中でもインパクトのある大きな花はこだわりのつくりによりできている。
- 海外品種のボブシリーズ・シャギーシリーズというヘアスタイルにまつわる品種名になっている。
- ウニアスターはニュアンスカラーが多い
- ガクのグリーンとのコントラストでおしゃれな雰囲気。
- 明るい時間を18時間にしないと大きな花をつくることはできない。
- いちどつくると8年間同じ場所でつくることができない。
■キーワード アスター 大輪 ウニ