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【誕生】1輪仕立てのモノリシアン開発秘話

こんにちは。
Rumoi Flower Productions[るもいの花]のリッキーです。

そこの花屋さんのスタッフさん、店頭に並んでいるリシアンサス[トルコキキョウ]はどのように生産されているか気になりませんか?
もしかしたらその産地・農家さんによってはこだわりがあるかもしれません。
そのこだわりを理解すると、エンドユーザーとのコミュニケーションのネタになりますよ!

今日はるもいのモノリシアンが誕生した話をしたいと思います。
結論から言うとシンプルに

その一輪を真剣に作ろうと思った

からです。今回は生産サイドの視点から見ていきましょう。

るもいのリシアンサスは大輪フリンジ品種が中心で、花がとても豪華な品種が多いです。
大輪仕立てといって1本に3輪程度に花を制限させて、さらに花を大きくする栽培をしています。[コサージュ仕立てと呼ばれる]
しかしこの栽培方法は問題がありました…

コサージュ仕立ての問題

3輪仕立て[コサージュ仕立て]のリシアンサス

その問題とは
① 3輪で仕立てても2輪しか咲かない。[蕾がもったいない…]
  ※2輪しかつかないことも…
② 3輪咲くまで待つと1輪が老けてしまう。
③ 長い時間ハウスで咲いていると花シミが発生してしまう。
④ 高い栽培技術が必要でベテラン農家じゃないと作れない。
⑤ 品種や生産者間で品質にムラが発生する。
⑥ 輪数を分けて出荷するので出荷規格が複雑になる。
  ※短い枝の花はどうするのか問題…

さまざまな問題が発生するコサージュ仕立ては栽培難易度が高く、産地が増えていかないのが現状です。

農家さんの売上・利益に直結する話

問題の①~③は農家さんの売上・利益に直結する話です。

3輪が同時に咲くわけではない…

① 3輪で仕立てても2輪しか咲かない。[蕾がもったいない…]
  ※2輪しかつかないことも…
② 3輪咲くまで待つと1輪が老けてしまう。
③ 長い時間ハウスで咲いていると花シミが発生してしまう。

3輪仕立てにすると花を収穫するときにも悩みが発生します。
早朝の涼しい時間に何輪咲いているか確認しながら花を収穫します。
「今は2輪しか咲いてないけど明日になれば3輪咲くかな?」
「でも明日なったらこの1輪が老けちゃうかな…?」
と悩みながら切っています。

終わりかけの花は、花シミが発生するリスクがあり、花持ちが良くないので、悩みのタネになります。
「高く売りたいから3輪で切りたい」
「でもクレームのリスクになる」
「今、2輪で切ったら安くなるし‥」
信頼と儲けの駆け引きが、頭の中をうずまきながらの作業です。

花屋さんとしてもロスが出たりする原因にもなります。

産地の信頼・仕入れの安心に関わる話

複数の蕾がついた姿

問題の④~⑥は産地の信頼・仕入れの安心に関わります。

④ 高い栽培技術が必要でベテラン農家じゃないと作れない。
  ※花芽整理[輪数を制限する作業]が複雑
⑤ 品種や生産者間で品質にムラが発生する。
⑥ 輪数を分けて出荷するので出荷規格が複雑になる。
  ※短い枝の花はどうするのか問題…

高い技術が必要になると新人農家さんとの品質ムラが発生したり、栽培の難しい品種だと、仕立てる輪数が2輪…1輪になることもしばしば。
その難しい技術[花芽整理]という作業があります。
たくさん発生する蕾を咲かせる蕾だけに整理する作業です。

「咲きそうな3輪だけにすればいいんでしょ?」

簡単に思いますが、意識することはたくさんあります。
① 同時に咲きそうな同じ大きさの蕾に揃える。
② 同じ高さの蕾に揃える。
③ 側枝のボリュームを見ながら成長するスピードを意識する。
④ 花の巻きがいい時期に発生した蕾に整理する。
これを考えながら何千本も行うのホネが折れる作業です。
1本1本、枝の発生の仕方・ボリューム・蕾の大きさ・蕾の発生している時期が違うので、決まった仕立て方がありません。
自分の理想とする形をイメージをしながらどういう風に咲かせてあげると、自分のイメージと近くなるのか考えながら行います。

なので、理想とする花のイメージが沸かない人は花芽整理ができない。
イメージできない新人農家さんやパートさんでは難しい作業になります。

さらに悩んで花芽整理の作業が遅れると品質が低下します。
※花が小さくなる・花首が長く柔くなる。

出荷する際にも選別作業が必要です。
選別する要素としては
① 草丈    [60㎝以上あるか]
② 輪数    [何輪咲いているのか・何輪つかえるのか]
③ 花の充実度 [花の大きさ・花の巻きは充分あるか]
④ 樹の充実度 [ボリュームは充分あるか]
⑤ 花首の硬さ [花に耐えることのできる垂れない花首であるか]
⑥ 枝の長さ  [枝は割って使える長さは充分あるか]

この選別基準が同じ品物でも
「私はこれくらいならいいと思う」
「俺はこのくらいなら下の等級に落とす」
など個人個人で感覚が違うと選別のムラが発生します。

また出荷規格も輪数別に分けたりと複雑になります。

複数の要素が絡み合い複雑になることで、共選産地[複数件の農家が共同出荷する産地]では品質のムラが出てしまいます。
※個選の産地では一軒の農家で出荷するので、品質は一定になります。

そんな問題を解決するべく・・・

[モノリシアン]はシンプルにしただけ

硬いステムのモノリシアン

「1輪を真剣に作ろう」そう思うとシンプルに考えることができます。

① 作り方をシンプルにする。
② 選別・出荷規格をシンプルにする。

やることはこれだけです。
たった2つだけで農家さんの苦労とロスが軽減し、品質が安定します。

① 作り方をシンプルにする。

花芽整理の作業では
1本の枝に花の巻きが充分な蕾・1つに整理してあげるだけです。
3輪仕立ての悩みが吹っ飛びます。
枝のフォーメーション・蕾の高さ・大きさなど考えません。
さらに悩むことがないので、作業が遅れず、花首が短く硬くなり品質が良くなります。
しかも無駄な芽を除去していく単純な作業になるので、新人農家やパートさんでも作業ができます。
[高齢化による花の生産量減に歯止めがかかります]

花を収穫する作業では
7分先の蕾が色づいているものをバツバツ切っていくだけです。
・花シミのリスク
・終わりかけの花になるリスク
・蕾で出荷するロス
がありません。

るもいは夏から秋にかけての産地です。
日本でも北限の産地です。
寒くなるのが早く秋の栽培には、暖房設備が必須になります。
8月のお盆過ぎから夜の温度が16℃以下になるので、花シミのリスクが発生します。[夜間にハウス内の温度を暖房で16℃にキープする]
9月以降になると日中の温度が16℃を下回ってくるので、さらに日中も暖房を行います。

リシアンサスは気温が16℃以下になると開花のスピードが緩やかになってきます。
ゆっくりと咲いてくると花は大きくなるのですが、3輪同時に咲かなくなってきます。
寒くなってくると光合成のスピードがゆっくりになり、1輪1輪丁寧に咲かそうとしてくるんです。
リシアンサス自体は1輪1輪咲いてくるのに、「3輪咲いたら切る」っていうのは矛盾に感じませんか?

実はカーネーションも1株から4~6本切ることができますが、1輪ずつしか切れないことが多いです。

いままでは、蕾として出荷していた1輪もしっかり出荷できるので、利益率が良くなる栽培方法です。

植物としても生産者としても合理的な選択です。

② 選別・出荷規格をシンプルにする。

出荷規格[MONO]


選別の作業では輪数で分ける要素がなくなります。
さらに、草丈も枝がなく真っ直ぐなので50㎝で充分になります。
※枝を割って使おうと思うと60~70㎝が必要になるんですよね。

分けるときは「良いか・悪いか」のシンプルな選別で2つの規格になります。
選別の基準がシンプルになるので、品質ムラも少なくなります。

どの花を見ても一定の品質は花屋さんも仕入れの安心材料に繋がると思います。

出荷規格をシンプルにすると、ロットがまとまりやすくなるので、多品種の栽培も可能になります。
そこでるもいでは、簡単な栽培方法にすることで、栽培が難しい品種を安定的に生産する方向性を取っています。
「あの品種好きだけどあんまり見かけない」
という悩みがある人もるもいのモノリシアンで解決できるかもしれません。
変わった品種のアソートは箱を開けるが楽しみなるはずです。

今回は生産サイドから見た[モノリシアンの開発秘話]をお話しました。
今回の「なぜモノリシアンが生まれたのか」というお話をスタッフさん・エンドユーザーさんとの会話のネタになればと思います。

次回は花屋サイドから見た[モノリシアンの利点]をお話したいと思います。

かれこれモノリシアンを作ろうと思って2年が経ちました。
農家経営のでは1年に一回しか挑戦ができないので、その1年で何がいいのか何が悪いのかをたくさん吸収しなければなりません。
その吸収したことを糧に来年の栽培を考える。
[毎年1年生。トライ&エラー]がモノリシアンを良くします。

ぜひ一度でもるもいのモノリシアンを手に取っていただき、フィードバックをしていただけると嬉しいです。
あなたの声が、モノリシアンの品質・問題を解決できる糸口になります。
お気軽に教えて頂けると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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